ペットをお迎えしたら、どの家庭も大切なペットが健康に長生きしてもらいたいと思っているはず。まずは食事の内容から見直しましょう。そして、ウサギが健康で長生きするためにはどうすればよいか知っておきましょう。
ウサギの健康を維持する食事のこと
ウサギは完全草食動物で草など繊維質を多く含む食材を主食として食べています。そのため、牧草などなるべく野生に近い食事がとれるようにしてあげたいものです。健康を維持するためには、食事の内容や与え方を気をつけてあげることが大切になるでしょう。
牧草はたっぷりと食べられるようにする
牧草は主食になるので毎日たっぷり食べられるようにしましょう。また、牧草は歯の伸びすぎを防ぐことができるほか、繊維質が多いので消化機能が活発になり、毛捄症の対策にもなります。
毛求症は、なんらかの原因で消化機能が低下してしまい、胃に毛が溜まって毛の塊が腸に詰まることです。特に、長毛種のウサギや換毛期にはこまめにブラッシングをする必要があります。重傷な場合は手術が必要になることもあるので、きちんと対策をすることが重要になります。
ペレットは与えすぎないようにする
牧草のほかにペレットも主食になり、毎日与えるようにします。また、ペレットはウサギに必要な栄養素がバランスよく含まれているので与えたほうがよいでしょう。ただし、ペレットは与えすぎると肥満の原因になるので適量にし、朝と夕方の2回までにとどめるようにします。また、ペレットには成長ステージによっていろいろな種類があるので、それぞれのウサギに合ったものを選ぶようにしましょう。
ウサギは野草や野菜なども大好物
ニンジンや小松菜やチンゲン菜などの野菜は、好物なウサギが多いので副食として与えるとよいでしょう。また、タンポポやクローバーなどの野草は食欲不振のときなどに効果的だと言われています。そして、ウサギは果物も好物ですが糖質が多いので与えすぎないように気をつけましょう。
- 【野菜】 ニンジン、ブロッコリー、大根、セロリ、小松菜、シソ、パセリ
- 【野草】 セイヨウタンポポ、オオバコ、ナズナ、ヨモギ、葛(くず)、クローバー、コハコベ
- これら以外は基本的に与えないようにしましょう。下痢や中毒または貧血など危険を及ぼすものがあるので注意が必要になります。
主食と副食はバランスよく与えよう
主食も副食も与えすぎないように気をつけましょう。どちらの栄養もバランスよく与えることができれば、ウサギの健康を維持することができるはずです。
毎日与えるもの
- 牧草
- ペレット
- サプリメント
牧草はたっぷりと与えて、ペレットは適量にし1日2回までとします。また、サプリメントは毛求症の予防にもなるので、必要量を与えるようにしましょう。
ときどき与えるもの
- 野草や野菜
- 果物
- ドライフード
緑黄色野菜を与え、果物は少量にとどめましょう。また、ドライフードなどのおやつは、しつけのご褒美などに限定し、与えすぎないようにします。そして、ドライフードなどを選ぶときは、カロリーの低い乾燥パパイヤがおすすめです。
なぜウサギに牧草が必要なのか
ウサギの主食となる牧草は、単なる栄養だけではなく歯や胃腸の健康にも欠かせないものとなっています。歯の伸びすぎを防ぐことのほかに、腸の働きを活発にさせるので毛捄症の対策になると言われています。また牧草によって成分や葉の柔らかさなど種類もたくさんあります。そのため、ウサギの成長シテージに合わせて栄養など配慮する必要があるので、その時々に合うものを選ぶようにしましょう。
牧草の主な種類は?
牧草には、主にアルファルファなどのマメ科やチモシーなどのイネ科の2種類あります。マメ科のほうが高タンパク、高カルシウムでカロリーも高めなので、成長期のウサギに適しています。そして、半年をすぎると成長は落ち着くので、イネ科の牧草を増やしていきましょう。5歳以上の高齢なウサギは、尿路結石の原因になるのでカルシウムが多く含まれるマメ科は控えるようにしましょう。
- チモシーは刈り取られた時期によって、1番刈り、2番刈り、3番刈りなどに分類され成分や葉の柔らかさに違いがあります。
牧草を選ぶときのポイント
- ウサギの年齢に合った牧草を選ぶようにする
- ペットショップなどで新鮮な無添加のものを選ぶようにする
- 牧草も古くなると鮮度が落ちるので大量に買いすぎないようにする
成長期ウサギにはマメ科のアルファルファとイネ科のチモシー、大人~高齢期のウサギには、低カロリーなイネ科のチモシーを選びましょう。牧草によって成分が違うのでウサギの年齢に合ったものを選ぶことが大切です。また、牧草は新鮮で高品質なものをペットショップやウサギ専門店などで購入するとよいでしょう。また、通販では様々な種類の牧草が販売されているので一度チェックしてみるのもいいかもしれません。
病気予防のためにサプリメントも考えよう
サプリメントは必要に応じて普段の食事に加えて与えるとよいでしょう。それぞれ成分が違うのでウサギの年齢に合ったものを選ぶようにしましょう。サプリメントによっては、毛捄症や内臓疾患、皮膚病など病気の予防になると言われているものあります。さらに、免疫力を高めてくれるサプリメントもあるので、ウサギの健康を維持するために上手に活用しましょう。
- 乳酸菌や納豆菌は腸内環境を整えてくれる
- パパイヤ酵素は消化を促して毛捄症の予防が期待できる
- プロポリスやアガリクスは免疫力を高めてくれる
- キトサンは皮膚病や内臓疾患に効果が期待できる
- コエンザイムQ10はアンチエイジング効果が期待できる
おやつは体にいいものを選んで与えよう
ウサギとコミュニケーションとるためや、しつけのご褒美としておやつを与えることは多いでしょう。ただし、可愛いからと何も気にせずにおやつを与えすぎると肥満や虫歯の原因になるのでよくありません。おやつを与えるなら、果物やドライフードなどを少量にとどめて与えましょう。おやつの成分や種類を意識して選ぶことで、ウサギの健康を維持することにも役立ちます。
カロリーが高い果物は少量与える
果物はビタミンが豊富ですが、糖分が多く高カロリーになります。そのため、果物を与えすぎると、肥満や虫歯の原因になるので気をつけましょう。果物は小さく切って少しずつ与えるようにしましょう。
- リンゴ、ブドウ、イチゴ、バナナ、パイナップル、パパイヤなど
- パイナップルとパパイヤはおなかの働きをよくする酵素が入っており、毛捄症の予防になるので特におすすめな果物です。またアボカドは中毒を起こす危険性があるので与えてはいけません。
ウサギが大好物なドライフード
ドライフードは、野菜、野草、フルーツなどいろいろな種類があります。なかでも、野菜や野草はウサギの大好物なのでお迎えして間もないときに、ウサギとコミュニケーションをとる手段としても効果的です。飼い主さんの手から直接与えることで匂いも覚えてもらえるのでおすすめです。
- 天然パパイヤ、青マンゴー、圧ぺん大麦など
- パパイヤは毛捄症の予防になります。また、圧ぺん大麦は普段の食事にふりかけて使うのがよいでしょう。圧ぺん大麦は成長期のウサギや食欲不振の高齢なウサギにおすすめです。
人間の食べ物は与えないように
ウサギにおねだりされても人間の食べ物は与えてはいけません。ごはんやパンなど、炭水化物はカロリーが高いので肥満の原因になります。また、ごはんやパンなどは食物繊維も少ないので下痢などを引き起こすこともあります。ほかにも、クッキー、アイスクリーム、ケーキ、スナック菓子などは、塩分や糖分だけではなく脂肪分も多く、ウサギの体に悪影響なので与えないようにしましょう。
ウサギの年齢に合った食事内容にする
ウサギの成長に合わせて、牧草やペレットを見直す必要があります。成長ステージに合わせて食事内容を見直すことで、必要な栄養素を充分に摂り入れることができます。
- 成長期の6ヶ月までは、マメ科のアルファルファとイネ科の1番刈りチモシーを混ぜて、ペレットもウサギが食べたいだけ与えます。この頃は牧草だけ多くするのではなく、ペレットも同じ量与えましょう。
- 6カ月を過ぎると成長が落ち着くので、1歳になるまでに牧草をメインにしていきます。徐々にペレットを減らしていき、体重の3~5%の量が目安になります。牧草のアルファルファも減らしていきチモシーをメインにしていきます。
- 1歳~5歳くらいまでは、イネ科のチモシーで牧草をメインに与えましょう。ペレットの量もおよそ3%を目安に調整します。4歳頃の中年期では、カルシウムを取り過ぎると、尿石症になることがあるので気をつけましょう。
- 5歳以上の高齢期には、肥満になりやすいので高齢期用のペレットに切り替えましょう。味が変わると食べなくなるウサギもいるので、そのときは無理に切り替える必要はありません。また、免疫力などを高めてくれるサプリメントなどを活用するのもおすすめです。
最後に
まずは食事内容からきちんと考えてあげれば、ウサギが健康で長生きできるはずです。ウサギの健康を日々の食事で維持できるようにしましょう。