お家にウサギをお迎えしたらなるべく早く慣れてもらいコミュニケーションをとりたいと思う方は多いことでしょう。しかし、無理強いしたら怖がられてしまい逆効果に。そのため、まずはウサギの気持ちになって考えることが仲良くなる近道になります。しぐさによって違うウサギの気持ちを知っておきましょう。
お家にウサギをお迎えしたら
ウサギをお迎えしたばかりの頃は、まずは環境に慣れてもらうことが大切です。突然の環境の変化にウサギも戸惑っているはず。無理に触ろうとすると、かえって怖がらせてしまい逆効果になるので、あまり刺激せず見守りましょう。少しずつ環境に慣れてきたらケージの外に出して探索させてあげたり、おやつなどでコミュニケーションをとったりする時間を増やしていきます。
まずは環境に慣れてもらうためにお迎えの当日は、のぞきこんだり声をかけたりするのは最小限にします。ウサギも環境の変化に戸惑っているので様子を観察するだけにしたほうがよいでしょう。
お迎え当日よりも少しずつ環境になれてきている頃なので、ケージの外から名前を呼んでみましょう。そのときにフードをきちんと食べているかも確認しておきましょう。
飼い主さんに興味を示したら、手からおやつを与えてみます。そのとき、ウサギの頭の上からではなく、正面の目線の高さに合わせてあげるのがポイントです。また、ウサギは上からくるものに警戒することがあるので接し方に気をつけましょう。
そろそろ環境に慣れてきた頃、ケージから出して部屋を探索させてあげましょう。そして、トイレのしつけも少しずつ始めていきます。また、抱っこやコミュニケーションをとる時間も増やしていきましょう。ただし、個体によって慣れるのに時間がかかることもあるので、無理は禁物です。
- 体を触るときは声をかけるようにしましょう。急に触ると怖がるので掃除やフード交換のときも同様に必ず声をかけることが大切になります。
- コミュニケーションをとる時間帯を決めておくとよいでしょう。ウサギは夕方以降に活発になるのでケージから出して遊ぶときは夜がおすすめです。
ウサギのしぐさで気持ちを知る
毎日ウサギに接していると、しぐさから様々な表情を見られることでしょう。うれしいときは尻尾をふってその場でジャンプしたり、不満があるときは「スタンキング」をしたりと感情を行動で示します。ウサギの気持ちをしぐさで知ることができれば、もっと仲良くなることができるでしょう。
尻尾をふったりその場でジャンプしたりする
ウサギがご機嫌ときにする行動です。好物のおやつをもらったときなどは、ウサギも犬のように尻尾をふることがあります。また、ケージから出してもらったときに、うれしくてテンションが上がり、体をねじりながらジャンプすることもあります。
飼い主さんの手を舐めたり鼻でツンツンしたりする
ウサギが甘えたいときにする行動です。飼い主さんに撫でてもらいたいときなどは、手や指などを舐めてきます。また、足の指を舐めてくることもあります。そして、構ってほしいときや一緒に遊んでほしいときには鼻で飼い主さんの体をツンツンとしてくることもあります。
足を伸ばして横になる
ウサギがリラックスしているときにする行動です。遊び疲れたときやリラックスしているとき、地面にお腹をつけて足を伸ばしてぺたんと横になるときがあります。また、なかには大あくびをしてそのまま仰向けになって眠る個体もいるようです。
ウサギがケージの中や外でいきなりパタンと倒れ込むときがあります。あまりにも突然倒れ込むので、初めて見た飼い主さんは心配になったはず。しかし、急に体調が悪くなって倒れ込んだわけではないので、心配する必要はありません。ウサギがパタンと倒れ込むのは、リラックスしたいときや遊び疲れたときにたまに見せるしぐさのようです。
耳をピンと立てながら後ろ足で立つ
ウサギが警戒しているときにする行動です。ウサギは聴覚がとても発達しているので、聞き慣れない音や聞いたことがない人の声などに敏感に反応します。また、ウサギは人が聞き取れない遠くの音や小さな音がわかると言いわれているので、周りの変化に動揺しているのかもしれません。
後ろ足で床を強く蹴りダンダンと踏み鳴らす
ウサギがなにかに不満があるときにする行動です。これは、野生のウサギが仲間に危険を知らせるためにする「スタンキング」という行動です。ただし、ペットのウサギでは少し意味合いが変わり、なにかに不満があり不機嫌なときにする行動のようです。また、興奮しているときや相手を威嚇しているときにも見られます。
フード皿をひっくり返したりフードをかき出したりする
ウサギが退屈しているときにする行動です。暇すぎるとやることがないので、フード皿をひっくり返したり、フードをかきだしたりと退屈しのぎをすることがあります。また、ストレスが溜まっていて発散しようとしてるときもあるようです。
ペットのウサギでも本能が残っている
ペットのウサギにも本能に基づく習性が残っていると言われています。床やじゅうたんを掘ったり、家具などにあごをこすりつけていたりと本能に基づいた行動がいくつかあります。なかには、飼い主さんが困るような行動もあるかもしれませんが、本能的な要素を完全に取り除くことは難しいものです。しかし、それらの行動を減らすことならできます。
床をほりほりする
アナウサギを品種改良しているので穴を掘るという行動をやめさせるのは難しいでしょう。チモシーマットや掘る遊びができる専用のハウスのおもちゃなどを用意してあげると、欲求が発散され軽減するかもしれません。
便を食べる
ウサギが自分の肛門に口をつけて糞を食べている様子を、目撃して驚いたという飼い主さんもいるかもしれません。これは「食糞」と言ってウサギの体にとって必要なことです。ウサギは体内から2種類の糞を排泄しており、そのうちの栄養が含まれている糞を食べていると言われています。そのため、ウサギの食糞はごく自然な行動なので、やめさせたり叱ったりしないようにしましょう。
においをつける
家具やハウスなどに、下アゴをこすりつけてにおいつけるマーキングのような行動をとることがあります。自分のお気に入りのものやハウスによくこの行動が見られます。たまに飼い主さんの足に下アゴをこすりつけてくる個体もいるようです。
尿をまき散らす
ウサギは思春期をむかえると、尿をまき散らす「スプレー」という行動をとることがあります。スプレーは縄張りのアピールのようなもので、自分のハウスにこのような行動をよくとります。まれに、糞をまき散らす個体もいるようです。ほかにもオスの場合は求愛行動でもあり、メスのウサギが近くにいるとスプレーをすることがあるようです。そして、オスの場合は、去勢手術をするのが対策のひとつになります。
ウサギの鳴き声にも耳を傾けてみる
ウサギは犬や猫のようによく鳴く動物ではないので、聞いたことがないという飼い主さんもいるでしょう。しかし、耳を澄ましていると鳴き声をたてているときがあります。興奮しているときは「ブウブウ」、苦痛や恐怖を訴えているときは「キーキー」と鳴くようです。ケージから出して遊んでいるときなどは、うれしくて興奮していることが多いので「ブウブウ」という鳴き声が聞こえるかもしれません。また、前後のしぐさとセットに考えると鳴き声の意味がわかりやすくなります。このように、しぐさだけではなく鳴き声にも耳を傾けてみるとウサギの気持ちをさらに知ることができるでしょう。
最後に
飼い主さんはウサギがいまどんなことを思っているのか、なにをしてほしいのかを知ることで上手にウサギと関われるのでもっと仲良くなれるはずです。是非お家にいるウサギさんの行動をよく観察してみてください。