人と暮らしているハムスターはほぼ全ての生涯をケージ内で過ごします。野生のハムスターは気に入らなければ新天地に引っ越すことができますが、人と暮らしているハムスターはそうはいきません。そのため、ハムスターが健康で快適に暮らせる住空間を知っておきましょう。

ハムスターが快適に暮らせる空間

準備をきちんとしていれば安心してハムスターをお迎えできるでしょう。落ち着いて快適に暮らせるように、ハムスターの習性や生活スタイルに合ったおうちを準備しましょう。

遊べるおもちゃや運動できるものを入れる

ハムスターはとても活発で運動することが大好きです。一人で退屈しのぎができるおもちゃや運動ができる回し車などのグッズを入れましょう。また砂浴びはストレス発散や体を清潔に保つことができるので、砂浴びグッズもおすすめです。

ハムスターのマイホームは安心できる場所に

野生のハムスターは地下で生活しているので、広すぎるケージはかえって落ち着かないので必要ないでしょう。ただし、回し車や巣箱などいろいろな飼育グッズを置いても十分な広さのあるケージを選びましょう。ハムスターは小さいからと極端に狭いケースで飼育するのはハムスターにとってストレスが溜まるだけではなく、健康にも影響を及ぼしかねなのでやめましょう。

年齢に応じて住空間を見直そう

高齢のハムスターは、ご飯が上手に食べられなかったり、排泄が間に合わずトイレ以外の場所にしてしまったり、足腰が弱るので段差のある場所に上りにくいようすなど生活に不自由な場面が増えてきます。そのため、ご飯を置く場所や床材のほかにペットシートを敷きトイレそのものを変えるなど、高齢のハムスターが住みやすいように見直しましょう。

ケージの種類と選び方のポイント

一日の大半をケージ内で過ごすハムスターにとって快適なおうちにしましょう。ケージは大きく分けると水槽タイプと金網(鳥かご)タイプがあり、いろいろなサイズのものが販売されています。また掃除やグッズの出し入れがしやすいケージを選びましょう。

水槽タイプと金網タイプの特徴

水槽タイプ
  • アクリル製は軽いが傷がつきやすい
  • ガラス製は重いが傷がつきにくい
  • 蓋をすれば音がもれにくく静か
  • 床材を掘っても周囲が汚れにくい
  • 夏は暑さがこもりやすく蒸し暑くなる
金網タイプ
  • 通気性がよく夏は涼しいが冬は寒い
  • 床材を掘って周囲を汚しやすい
  • 金網タイプは比較的軽いものが多い
  • 金網を登って落下事故をおこすおそれがある
  • 金網をかじる習慣がつきやすくなる

十分な広さがあるケージを選ぼう

ケージのサイズはゴールデンハムスターで奥行き35㎝×横45㎝、ジャンガリアンハムスターで奥行き35㎝×横25㎝程度が目安になります。いろいろな飼育グッズを置いても十分な広さがあるケージを選びましょう。ハムスターは木に登るなどの上下の運動をしないので、ケージに高さは必要ありません。ただし、巣箱の上に登って脱走できる高さだと低すぎるので、高さは25㎝くらいあると安心でしょう。

自分がお世話しやすいケージを選ぼう

掃除や飼育グッズの出し入れがしやすいものがよいでしょう。大きくドアが開くものだと出し入れしやすく、軽くて移動しやすいものだと丸洗いしやすく掃除が楽になります。ハムスターのためではなく、自分がお世話しやすいかどうかも考えましょう。

ハムスターの習性に合ったグッズを選ぼう

ハムスターをお迎えする前に、必要なグッズを準備しておきましょう。まず準備したいのは、床材、巣箱、フード皿、給水ボトル、トイレとトイレ砂など。ハムスターは活発で運動が好きなので回し車を用意しておくとストレス発散や運動不足の解消になります。回し車は勢いよく走って回しても壊れない丈夫で安全なものを選ぶようにしましょう。また、ハムスターはものをかじる習性があるので、ペットショップなどで販売されている、食べても安全な木の枝などのかじり木がおすすめです。そして、季節に応じて防寒、防暑対策グッズも準備してあげましょう。

最初に準備する基本的なグッズ

床材、巣箱、フード皿、給水ボトル、トイレとトイレ砂、回し車、かじり木

必要に応じて準備するグッズ

アスレチックやトンネルなどのおもちゃ、砂浴びバスと砂浴び用砂、ヒーターや大理石ボード、温度計や湿度計、体重計、キャリー、ペットサークル

快適に暮らせるケージの置き場所

ハムスターが健康で快適に過ごすためにはケージの置き場所がとても大切になります。ハムスターは急激な温度変化が苦手なので直射日光やエアコンの風が直接当たる場所など、暑すぎ寒すぎな場所は避けましょう。また、湿度が高いお風呂やキッチンの近くなども向きません。テレビやオーディオ機器の近くはハムスターにとっては騒音になるので落ち着ける空間ではないでしょう。家庭によってケージを置く場所が限られていることもあるでしょう。しかし、その中でもなるべくハムスターが快適に暮らせるような場所を選んであげてください。

ケージの理想の置き場所

  • 部屋の隅で2面が壁に面している
  • エアコンの風が直接当たらない
  • 出入り口に近すぎない
  • 風通しがよく適度に日が差し込む
  • テレビやオーディオ機器から離れている

こまめな掃除で清潔を保とう

ハムスターの健康を維持するために、毎日ケージ内の汚れ具合を確認し、汚れているところは掃除をして清潔に保ちましょう。ただし、ハムスターは自分のにおいがないと落ち着けないので、「きれいにしすぎない」ことがポイントです。汚れているところだけ掃除する程度がベストです。また、週末や月末にケージやトイレ、巣箱などを丸洗いするのがおすすめです。床材もウンチや食べカスが混ざっているので新しいものに全て交換しましょう。ケージの大掃除をする際は、1日に全てを新しいものに交換するのではなく、交換する日と洗う日を別の日にするなど工夫するとよいでしょう。

ハムスターはトイレを覚える?

ハムスターはもともと、決まった場所で排泄する習慣があります。ほとんどのハムスターがオシッコのにおいが残っている場所やケージ内の隅でお気に入りの場所にオシッコをします。そのため、そこにトイレの容器を置いて排泄させることは可能です。ただし、どうしても決まった場所に排泄してくれない個体もいるので、それも個性だと受け入れてあげることも大切です。

におい対策

毎日のお世話をきちんとしていれば、それほどにおいは気になりませんが、トイレ以外の場所にオシッコをしていると、においが残ったり、ハムスターの体臭が気になる場合があります。トイレ以外の場所でオシッコをした場合は、ペット用の除菌消臭スプレーを活用するとよいでしょう。また個体によっては巣箱でオシッコをすることがあるので、掃除をこまめに行ったほうがよいケースがあります。ハムスターがいる部屋にペット用空気清浄機を置いておくのもひとつの方法です。

暑さ寒さ対策をしよう

ハムスターが健康で快適に暮らすためには、季節に応じて対策が必要です。野生のハムスターは比較的過ごしやすい温度が保たれている地下で生活しているので、暑さや寒さの影響を受けにくいのです。しかし、人と暮らすハムスターは、暑くても寒くても逃げ場がありません。温度管理を適切に行わないままだと、熱中症や低体温症になるおそれがあり、病気にならないまでも体力が失われて弱ってしまうことがあります。そのため、エアコンや除湿器などを活用し温度や湿度の管理を行い、必要に応じて対策グッズを取り入れましょう。

夏の対策

夏は25℃以下の環境に。エアコンを活用し温度管理をしましょう。ケージ内の暑さ対策グッズは、小動物用の大理石ボードやアルミボード、陶器製の巣箱などがあります。また水槽タイプのケージは暑さがこもりやすいので要注意。

冬の対策

冬は20℃以上の環境に。エアコンを活用し温度管理をしましょう。ケージ内の対策グッズは、ペットヒーターがあります。ペットヒーターはケージ全体ではなく一部が暖かくなるように設置します。また、ペットヒーターにはケージ内の床に敷くものや天井に取り付けるものなどいろいろな種類があるので、使いやすいものを選びましょう。夏とは反対に冬は水槽タイプのケージがおすすめです。

最後に

ハムスターが健康で快適に暮らすためには、住空間をきちんと整えることが大切です。なるべくハムスターが居心地よく暮らせるように工夫してあげてください。