ハムスターは野菜、果物、殻類のほか、昆虫などの動物質の食材も好みます。なるべく野生の食生活に近い食材をあげたいものです。ハムスターの体に合った食事をあげて元気で長生きを目指しましょう。

ハムスターの健康を維持する食事のこと

ハムスターの食事は主食のペレット(ハムスターフード)を中心に副食の野菜、果物などを毎日バランスよく与えましょう。

ハムスターに合ったペレットを選ぼう

ペレット(ハムスターフード)はハムスターに適した栄養素がバランスよく含まれています。そのため、主食として毎日与えましょう。ペレットには体格や年齢に合ったものなどいろいろな種類があるので、ハムスターに合ったよりよいものを選ぶようにしましょう。

野菜や果物はミネラルやビタミンが豊富

野菜はミネラルやビタミンが豊富に含まれています。緑黄色野菜や根菜を中心に、キャベツ、コマツナ、チンゲンサイ、ダイコンの葉、ブロッコリー、ニンジン、サツマイモ、カボチャなどを少量与えましょう。

果物はビタミンCの補給源ですが、糖分が多いので与えすぎは要注意です。リンゴ、バナナ、ブルーベリー、イチゴ、ナシ、カキなどがおすすめです。また、柑橘系を与える場合はごく少量にしましょう。

昆虫などの動物質の食材も大好物

野生下では昆虫なども食べているので動物質の食材も好みます。動物質の食材は、煮干しやチーズ、ゆで卵、ゆでささみ、カリカリタイプのドックフードやキャットフード、ミルワームを少量与えましょう。ただし、煮干しやチーズは塩分の少ないペット用を選びます。

穀類の雑穀(ハト餌や小鳥用合成飼料など)、野草(タンポポやオオバコなど)、ハーブ(ミントやバジル)、小動物用のドライ食材(野菜乾燥、果物乾燥、果物乾燥)なども与えられます。

ヒマワリの種は与えすぎないように

ハムスターといえばヒマワリの種が思い浮かびますが、カロリーが高いので与えすぎないようにしましょう。ヒマワリの種は頻繁に与える食べ物ではなく、たまに与える特別なおやつとして考えましょう。

健康を維持する食事の与え方

ハムスターに与える食事の量は、1日あたり体重の5%~10%が目安となります。ペレットによってカロリーが違うので、まずはペレットのパッケージに記載されている推奨量を与えることをおすすめします。

副食は毎日必ず与えなくてはならない、ということはありません。副食やおやつを与えすぎると、ペレットを食べなくなることがあります。そのため、副食はごく少量から与えるようにし、ペレットの残し具合で与える量を調整しましょう。副食の与えすぎで栄養バランスを崩すことのないように気をつけましょう。

食事を与える時間と回数

夜行性のハムスターには、夕方から夜にかけて1日に1回与えるのが基本です。一度にたくさん食べない子には1日2回にしてもよいでしょう。この場合、1日分の与えるべき総量を2回分に分けて与えるようにします。

食べているかの確認をする

ハムスターは食べ物を貯蔵する習性があります。毎日しっかりと食事を摂っていても、巣箱やケージの隅などに食べ物えを運び、隠しておいたりします。隠した食べ物はであとで食べることもありますが、そのまま食べずにおくことも多いです。そのため、季節によっては傷みやすく不衛生なので、毎日の掃除のときに取り除きましょう。

ハムスターが太ったかなと思ったら主食のペレットは推奨量を参考にし、まずは副食を見直しましょう。

新鮮な飲み水を毎日必ず与えよう

ハムスターには毎日、新鮮な飲み水を必ず与えましょう。乾燥した地域出身の動物ですが水分は必要です。生野菜など水分が多く与えていると、水をあまり飲まないことがありますが、飲みたいときに飲めるようにしておきましょう。水を与えるには給水ボトルがおすすめです。排泄物や床材のかすなどで水が汚れることがないのと、どのくらい飲んだか水量もすぐに把握できます。また飲み水は特別な飲料水ではなく水道水で問題ありません。

健康に配慮したおやつの与え方

ハムスターとコミュニケーションをとるときに与えることが多いでしょう。手から与えるとにおいを覚えてもらいやすくなります。ハムスターにとっておやつはとても嬉しいことなので、ブラッシングや嫌なことをしたあとの気分転換にもなります。また食欲が落ちているとき、おやつが食欲回復のきっかけになることもあります。ハムスターが大好物なおやつは、ヒマワリの種やクルミなどの種実類、ナッツ類などです。

おやつの注意点

おやつは与えすぎないようにしましょう。1日に与える食事の中からおやつ分として少し取り分けるようにします。ヒマワリの種やナッツ類は脂肪分が多く、また果物は糖分が多いので与えすぎると肥満の原因になります。そのため、たまに与える特別なおやつとして上手に活用しましょう。

ハムスターに与えてはいけない食べ物

ハムスターに与えると中毒をおこす危険があるものや、健康に悪影響のあるものなど与えてはいけない食べ物があります。そのほか、食べても問題がない食材でも与え方に注意が必要なものがあります。普段の食事やおやつに間違えて混ぜたり与えたりしないように気をつけましょう。

中毒をおこす危険があるもの

ジャガイモの芽、ネギ類(タマネギ、長ネギ、ニンニクなど)、チョコレート、バラ科植物(リンゴ、サクランボ、モモ、アンズ、ビワなど)の種、生の大豆、カビが生えたピーナッツの殻など。またホウレンソウやワラビなどの人がアク抜きしないと食べられないものは与えないようにしましょう。

健康に悪影響があるもの

味付けしてある人の食べ物(惣菜やお菓子など)、ジュースやお酒なども与えてはいけません。ハムスターはお酒に強いという説もありますが、確実ではありません。大人になると乳糖が分解できず、牛乳を飲ませると下痢をおこすことがあります。そのため、牛乳を飲ませる場合はペット用を飲ませましょう。

与え方に注意が必要なもの

水分の多い野菜や果物を急にたくさん食べると軟便になることがあります。また熱すぎるものや冷たすぎるものは避け、加熱、冷凍したものは常温になってから与えましょう。

新しいペレットを食べてくれないときは?

ハムスターは警戒心が強いので、大人になってから突然、食べたことがないものを出されると食べないことがあります。ペレットの種類を切り替えるときは、急に新しくするのではなく、徐々に変えていくようにしましょう。前から与えているペレットの量を少しだけ減らし、減らした分だけ新しいペレットを加えます。時間をかけて新しいペレットに切り替えるのがポイントです。

またベビーハムスターの場合は、違う種類のペレットをブレンドしたり、副食もいろいろな種類のものを与えると、食材への警戒心が少なくなり、いろいろな食材を食べてくれるようになります。

最後に

ハムスターによっては好き嫌いがはっきりしている個体や、なんでも食べてくれる食いしん坊な子もいます。食べないからと無理強いするのではなく、食べるものと食べないものを把握し、その子に合った食事内容を考えることが大切になります。ハムスターが元気でいられるように、好きなものと栄養があるものをバランスよく与える工夫をしましょう。