フェレットの体のお手入れは健康や安全のためにとても大切なことです。人間と同様に体を清潔に保つことがフェレットにとっても心地よいものとなります。

初めて家族の一員としてフェレットをお迎えした方にとって、一言にお手入れが大切と言われてもなにをしたらいいかわからない方も多いはずです。

そこで本記事では、お手入れの基本や安全なやり方のほか、おすすめのグッズも合わせてご紹介します。

フェレットの体のお手入れについて

フェレットの体のお手入れは、爪切り、耳掃除、歯のクリーニング、ブラッシング、シャンプーがあります。体の清潔を保つのは、ケガの防止や健康を維持する基本になるので、定期的に身だしなみを整えてあげましょう。

爪切りや耳掃除、歯のクリーニングのケアをするときは、暴れたりすると危険なので、保定をして行います。一見かわいそうと思う方もいるかもしれませんが、フェレットは痛くないので心配ありません。誤って爪などを切りすぎてしまうなどの事故を防ぎ、素早くケアを行うために必要なのです。

また、フェレットは個体により簡単にケアできるおとなしい子もいれば、激しく暴れて嫌がる子もいるので、大変な場合は無理をせず動物病院にお願いしましょう。


保定とは、首の後ろの皮膚を掴んで持ち上げることです。保定をするとほとんどのフェレットがおとなしくなるので安全にケアが行えます。

爪切りのやり方とグッズ

爪が伸びてしまうとケージやカーペットに引っかかりケガをすることがあるので、2週間に1回は爪をチェックし、伸びすぎていたらカットしましょう。血管の先から5㎜以上伸びていると伸びすぎの目安になります。

爪切りは特に嫌がる子が多いので保定をしてカットしましょう。フェレットも飼い主さんも慣れないうちは、2人で分担すると落ち着いて行えます。また、1人で行う場合は、手の甲や腕にフェレット用バイト(ペースト状のサプリメント)を付けて、食べさせながら爪切りをする方法もあるので試してみるとよいでしょう。

フェレットの爪には、神経や血管が通っているので確認しながら少しずつ切りましょう。ピンクの部分は血管なので、血管の先から2~3㎜は残して、先端の部分だけを切るのがポイントです。

白い爪のフェレットは神経や血管が透けて見えるのでわかりやすいです。しかし、黒い爪のフェレットの場合、少しずつ切りながら爪の断面で神経や血管が近いかを判断しなくてはなりませんが、ペンライトで光を当てると透けてよく見えるのでおすすめです。あまりにも暴れて嫌がるフェレットの場合は、何本かずつに分けて切るか、動物病院で切ってもらいましょう。

出血させてしまったら、ティッシュやガーゼなどで、強すぎず弱すぎずの加減で押さえて止血します。もしくは、止血剤を使う方法もあります。フェレットが暴れてうまく止血できないときなど、粉を少量つけるだけですぐに止血できるので、とても簡単です。

爪切りのおすすめグッズ

爪切りはハサミタイプとギロチンタイプがあります。どちらのタイプでも切れ味がよいものがおすすめです。軽い力で切れるだけでなく、切るときの衝撃がフェレットに伝わりにくいのでフェレットの負担が少なくなります。

切れ味が悪いと、爪に引っかかる、爪が折れる、衝撃が伝わりフェレットが暴れるなど、スムーズにケアできないことがあります。そのため、飼い主さんが使いやすく、切れ味のよい爪切りを選びましょう。

小動物用爪切り(ハサミタイプ)

関の刃物職人による丁寧な削ぎ作業により切れ味が抜群な小動物専用の爪切りです。バンドルは持ちやすい形状で安定して切ることができます。

フェレット用爪切り(ハサミタイプ)

爪の形に合わせて刃先が25℃にカーブしているウサギとフェレット専用の爪切りです。刃先がカーブしているので楽な姿勢で爪に添えるだけで簡単に切ることができます。

LED付き爪切り(ハサミタイプ)

高輝度のLEDが付いたペット用爪切りです。白い爪は神経や血管が透けて見えますが、黒い爪は全く見えません。そのため、ペンライトなどを当てながら神経や血管の位置を確認して爪を切らなくてはなりません。しかし、その手間がなく爪切りの本体にライトが付いているので、黒い爪の子でも手軽に切ることができます。

爪切り(ギロチンタイプ)

太い爪から細い爪まで切ることができるペット用万能爪切りです。刃物は職人が手作業で仕上げているので軽い力で簡単に切ることができます。

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耳掃除のやり方とグッズ

耳掃除は月に1~2回を目安に行いましょう。爪切りと同様に嫌がる子が多いので、しっかり保定をしてケアしたほうが安全です。本来、健康なフェレットであればひどく耳が汚れていることはありません。

耳掃除をするときは、り口の耳アカをイヤークリーナーを付けたガーゼやコットンなどで優しく拭き取りましょう。また月に1回程度耳の中に専用の薬液を入れて浮き上がった奥の汚れを取り除くと万全です。

普段のケアをきちんと行っていても膿や黒褐色の耳アカや異臭がする場合は、耳ダニの可能性があるので動物病院で診てもらいましょう。

  • ミミヒゼンダニ(耳ダニ)は寄生している動物と接触することで感染する病気です。耳から膿や黒褐色(黒みがかった茶色)の耳アカが出ている、耳を頻繁にかく、頭をふる、異臭がするなどの行動が見られます。
注意

フェレットの耳はとてもデリケートなので強くこすったり、耳の奥まで綿棒を入れたりすると傷ついて炎症をおこすことがあるので気をつけましょう。

耳掃除のおすすめグッズ

耳掃除は嫌がり暴れる子が多いお手入れのひとつです。汚れたまま放置すると病気や臭いの原因になるので、手軽に耳掃除が行えるイヤークリーナーを活用しましょう。イヤークリーナーは、耳の皮膚を傷つけずに、奥にある汚れや入り口の耳アカを取り除ける便利なケアグッズです。イヤークリーナーには、洗浄力が強く炎症が起きていても使えるものと、普段のお手入れ程度の弱いものがあります。

ペット用イヤークリーナー

ノルバサンオチックは多くの動物病院で利用されているペット用耳洗浄液です。しつこい耳アカも強力な洗浄力で取り除けます。アルコール入りで臭いの原因を取り除き、乾きも早いです。炎症が起きていても使用可能です。においが気になるときや耳アカがたくさんあるときにおすすめです。

フェレット用イヤークリーナー

マルカンのイヤースポットは虫が嫌がるユーカリ油、レモングラス油、シトロネアール油配合のフェレット専用イヤークリーナーです。軽い洗浄力で耳アカがあまり溜まっていないときや耳の入り口を拭き取るときなどの普段の軽いお手入れにおすすめです。

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歯のクリーニングのやり方とグッズ

歯のクリーニングは2、3日に1回を目安に行いましょう。フェレットも人と同様に汚れを放っておくと自然に歯石がたまっていきます。また、歯石がたまると歯肉炎や口臭を引き起こす原因になります。

歯のクリーニングをするときは、指にペット用のクリーニング剤を付けたガーゼを巻いて、丁寧に汚れをぬぐって落としていきます。嫌がって噛みついてくる場合は動物病院にお願いする方法もあります。その際はどの程度通った方がよいか獣医さんに相談しましょう。

デンタルケアのおすすめグッズ

お口の環境を整えることが健康の維持につながると言われています。日々の積み重ねがとても大切になるので、使いやすく続けやすいグッズを選びましょう。デンタルケアには、スプレータイプとジェルタイプがあります。お口に入れるものなので安全な成分で洗浄力のあるものを選びます。

デンタルケア(スプレータイプ)

50ヵ国以上の獣医師が愛用している低刺激のヘルスケアブランドのペット用デンタルケアです。100%天然成分で口内だけでなく歯茎に入り込んだ菌も除去するので、歯周病ケアや口臭を抑える働きのほか、使い続けることで歯石への作用も期待できます。苦味成分がないので苦味を嫌がるフェレットにも安心して使用できます。

デンタルケア(ジェルタイプ)

16種類の乳酸菌生成エキスを配合しているので、口内だけでなく腸内にも働きかけます。口内トラブルや口臭は悪玉菌が原因と言われています。コスモスラクトは、自分の持っている善玉菌を育成し、善玉菌が優位の口内環境をサポートします。使い方はとても簡単で、盛り付けるだけでこすらなくてもよいので、嫌がって暴れる子にも使いやすいです。

ブラッシングのやり方とグッズ

ブラッシングは病気の予防や血行を促進して皮膚を健康にする効果があります。フェレットは年に2回春と秋に被毛が抜け替わる時期(換毛期)があります。ただし、生活環境によって時期や程度に差があります。換毛期になると、体が痩せてみえるほど毛がごっそり抜けます。

フェレットが自分でグルーミングをしている内に、毛を一緒に飲み込んでしまうと毛捄症になることがあるので、普段のブラッシングより換毛期に限っては、念入りにブラッシングしましょう。

普段のブラッシングは1週間に1回程度で毛並みが悪くなってきたら行うとよいでしょう。長毛フェレットの場合は、お尻周りに毛玉ができやすいので、1週間に2回程度行いましょう。

毛玉がペット用ブラシでとれない場合は、無理にブラシでとかすのではなく、ペット用コームで優しくほぐしながら取ります。換毛期は、短毛フェレットで週に2回程度、長毛フェレットで週に3回程度が目安になります。換毛期のブラッシングはどちらも10分以内で終わらせるようにしましょう。

またフェレットが、かゆそうにしている、かきすぎて脱毛ができている、皮膚や被毛に黒い小さな粒がついている場合は、ノミが寄生している可能性があるので動物病院で診てもらいましょう。

  • 毛捄症とは、胃に毛が溜まって毛のかたまりになり、腸に詰まることをいいます。

ブラッシングする前に、グルーミングスプレーを使うと毛が舞い散るのを防ぐことができます。さらに、においや皮膚トラブルの原因である腐敗菌を抑え、毛がふかふかになるのでおすすめです。

ブラッシングのおすすめグッズ

ブラッシングは毛並みを整えるだけでなく、皮膚の健康維持や病気の予防にも役立ちます。特に長毛フェレットは日々のブラッシングがとても大切です。

ブラシには、クシタイプとグローブタイプがあります。クシタイプは皮膚を傷つけないように柔らかいペット用を選びましょう。グローブタイプは、手にはめて撫でるだけで抜け毛が取り除けるので嫌がる子も簡単にケアできます。

グルーミングコームは、粗目と細目があり、毛玉以外に抜け毛も除去できる万能コームや両方の目が一体となった両目コームなどがあります。毛玉を除去するときは、粗目で毛玉を優しくほぐし、細目で毛並みを整えます。

グルーミンググローブ

撫でるだけで手軽に抜け毛や汚れがとれるグルーミンググローブです。マッサージのように優しい刺激なのでリラックス効果も期待できます。スキンシップをとりながら毛並みを整えられるので、ケアを嫌がる子にもおすすめです。

スリッカーブラシ

小動物用で小型のソフトスリッカーブラシです。先端にゴムが付いているので、すべりがよく皮膚を傷つけないので安心です。また適度な硬さのピンが刺激になり血行を促進するので皮膚の健康にも役立ちます。また長毛種と短毛種のどちらも使えます。

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グルーミングコーム

粗目と細目が一体となったタイプのコームです。グリップがないので力をいれにくいですが、それぞれのタイプを揃える必要がなく、必要に応じて使い分けられるので便利です。

ピロコームは毛玉とりだけでなく、抜け毛の除去や毛並みを整えるためのブラシとしても使える万能コームです。また、くし歯が柔らかいのでデリケートなフェレットの皮膚を傷つけにくいのもポイントです。

シャンプーの入れ方とグッズ

フェレットのシャンプーは月に1回を目安に行いましょう。シャンプーをして体を清潔に保つことで、汚れによる体臭を軽減できます。お風呂が好きな子もいれば苦手な子もいるのでその子に合わせてお風呂に入っている時間を短くしたり、汚れているところだけを洗ったり、入れ方を工夫しましょう。

注意ポイント

フェレットが臭うからと頻繁にシャンプーをすると、かえって皮脂が出て体臭が強くなるだけでなく、毛の艶が悪くなったり、乾燥してかゆくなったりもするので気をつけましょう。

お風呂に入れるまえに、ブラッシングをしておくと、細かい汚れが取り除けるので、泡立ちがよくなり奥の汚れもとれやすくなります。そして、シャンプーをしたあとは、よく洗い流してタオルで丁寧にふいて乾かしましょう。

シャンプーのおすすめグッズ

フェレットの皮膚はとてもデリケートです。洗いすぎると余計に体臭が強くなることがあるので、優しい洗浄力で低刺激なものを選びましょう。シャンプーの種類によって、臭いの緩和や毛触りがよくなるだけではなく、防虫効果がある成分を配合しているシャンプーもあります。

フェレット用シャンプー

フェレットニームシャンプーは、自然由来の成分で低刺激のフェレット用リンスインシャンプーです。ヒアルロン酸を配合しているのでデリケートな皮膚に優しいです。またニームの葉を配合しているので、ダニなどを予防する効果が期待できます。香りはリラックス効果があるアロマが配合されています。

アロエシャンプーは、皮膚と被毛に優しいアミノ酸と天然成分を主成分とした低刺激のフェレット用ハイクラスシャンプーです。アミノ酸の優しい洗浄力でフェレットの洗いすぎによリ体臭を強くすることを防ぎます。また、両性活性剤や植物エキスで動物臭を消す効果も期待できます。そのほか、皮膚や被毛をなめらかにし、ほつれや毛玉を予防する成分も配合されています。

ニチドウのシャンプーwithリンスは、アミノ酸を主成分として優しい洗浄力のフェレット用リンスインシャンプーです。水鳥の羽に含まれるエステル油を配合しているので、被毛に艶と潤いを与えてくれます。

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お風呂に入れたあとに使うおすすめグッズ

お風呂に入ったあとは、体をタオルでよく拭いて水気をとり、ドライヤーで乾かします。せっかくきれいにシャンプーをしても、濡れたままだと生乾きの嫌な臭いがしたり、ホコリなどが付いてまた汚れてしまいます。

しかし、ほとんどのフェレットがお風呂上がりは、テンションが上がって落ち着きがないので、タオルで拭くにも乾かすにしても短時間で済ませたいものです。

手早く済ませられるような便利なグッズを活用し、お風呂上がりの慌ただしい時間を少しでも楽に乗り切りましょう。

ペッ用速乾タオル

フェレットをお風呂に入れたあと、速乾タオルで体を拭いておくと乾かす時間が短縮できます。

ドライヤーを使う手間がなくなるドライルーム

フェレットは動き回るので乾かすのが大変です。簡単に乾かせて保定する必要がないのでフェレットにも負担になりにくいです。

最後に

フェレットの健康や安全のため定期的な体のお手入れは欠かせません。フェレットによっては、爪切りや歯のクリーニングなどを嫌がって大変なときもあるでしょう。しかし、お風呂上がりにスッキリしてピョンピョン跳ねている姿や、ブラッシング中のウトウトしている姿など癒やされる場面もたくさんあります。きちんとお手入れをして、愛らしいフェレットが心地よく暮らせるようにしてあげましょう。