ハムスターと仲良くなりたいと思っても接し方がわからない方が多いのではないでしょうか。お迎えしたばかりの頃はハムスターも新しい環境や人に警戒して噛みつくことがあります。ハムスターを怖がらせないように上手にコミュニケーションをとる方法を知りましょう。
人や環境に慣れる大切さ
ハムスターを雑に扱ってはいけませんが、人と暮らしている以上、ハムスターも人や環境に慣れないままだとストレスを感じ続けてしまいます。またハムスターを触って飼い主さんが健康状態を確認するためにも人に触れられることに慣れたほうがよいでしょう。ただし、コミュニケーションをとるには、慎重さと手順が必要です。ハムスターに人の手は怖くないことをゆっくりと教えてあげましょう。
ハムスターの接し方で気をつけること
- 無理に慣らそうとせず様子を見ながら行う
- 慣れやすい子と慣れにくい子がいるので(個性)を理解しよう
- 何をされたら嫌かハムスター目線で考えてあげる
- ハムスターに触れあうときはビクビクしないで大らかな気持ちで接する
- 怒鳴ったり叩いたりして決して怖がらせないように
ハムスターをお迎えしたら
それまで暮らしていたペットショップから家へと環境が変化するので、不安な気持ちで胸がいっぱいなはず。できるだけストレスを軽減させるため、それまで使っていた床材を少し分けてもらうとよいでしょう。自分のにおいが付いているので安心してくれます。フードも最初は同じものを与え、別のものに変えるときはしばらくしてからにします。
お迎えした日はさっそく遊びたくなりますが、ハムスターも疲れています。そのため、新しいおうちに移し、食べ物と飲み物を与えたらそっとしておきましょう。また薄暗いと落ち着くので、ケージの半分くらい布をかけておくのがおすすめ。ただし、すっぽり覆うのではなく、周りの様子がある程度見えたほうが安心します。
ハムスターと仲良くなる方法
ハムスターも少しずつ新しい環境や飼い主さんの存在に慣れてきます。一歩一歩ステップアップしていき数日かけて慣らしていきますが、個体によってすぐ慣れてくれる子もいれば、おやつは受け取ってくれても手には乗ってくれないなど様々です。それぞれの性質に合わせて焦らずつきあっていきましょう。
新しいおうちが安心して暮らせる場所だとわかってもらうために、最低限のお世話をするくらいであまり構わないでおきましょう。
ケージに近づいても巣箱に逃げ込んだりしなくなったら、ケージ内に食事を入れるときに声をかけ名前を呼んでみましょう。飼い主さんの声やにおいがするといいことがあると理解してもらいましょう。
食事を与えるときなどに、こちらの手を嗅ごうとしたり、興味がありそうな様子を見せるようになってきたら、好物を手から与えてみましょう。ヒマワリの種などを指先につまんで持ち、ハムスターが近寄ってくるのを待ちます。
指先で持っている食べ物を取りに来るようになったら、好物を乗せた手をケージ内に入れて、それを食べに来るのを待ちます。最初は指先に置き徐々に手のひらの中央に置くようにしてもよいでしょう。
手の上の乗ってきたら、何も置いていない手のひらをハムスターの前に差し出し、乗ってきたらすぐに好物をあげましょう。
手のひらにためらいなく乗ってくるようになったら、好物を食べているときにそっとなでてみましょう。頭ではなく体をなでるのがポイントです。
慣れる早さは個体によって違う
ハムスターはもともとの性質や育った環境によってさまざまな個性をもちます。慣れるのが早い子もいれば慎重で慣れることにとても時間がかかる子もいます。それも個性だと受け入れて、根気よくつきあっていきましょう。
ハムスターが噛む理由
ハムスターの中には噛みついてくる個体もおり、噛む理由はいくつかあります。
恐怖から噛む
ハムスターは攻撃しようと思って噛みつくことはとても少ないと言われています。ほとんどのハムスターは恐怖や不安によるものだそうです。逃げたくても逃げられないので、身を守るために必死に抵抗しているということです。
体調が悪くて噛みつく
体のどこかに痛みがあるとき、体調が悪いとき、ハムスターはあまり構われたくないので噛みつくことがあります。野生下では弱っている姿を見せると天敵に襲われてしまうので、平気なふりをしているだけなのです。
妊娠、子育てしている
妊娠中や子育て中のメスは、子供を本能的に守ろうとするので警戒心が強くなります。むやみに手を出すと追い払うために噛みつくことがあります。
キャンベルハムスターの場合
キャンベルハムスターは攻撃的な性質でよく噛みつくと言われていますが、決して攻撃的なのではなく、自分の縄張りを守ろうと見せる行動だそうです。
ハムスターの持ち方
ハムスターの健康管理を行うためにも、ハムスターがストレスなく暮らすためにも人の手に慣らし、手で持つことができたほうがよいでしょう。ハムスターを持つとき、こちらが緊張して不安な気持ちのまま持とうとすると、ハムスターも警戒するので肩の力を抜きましょう。
ハムスターがこちらを向いているときに、左右からすくいあげるようにして両手で持ち上げます。
ハムスターを持つときに気をつけたいこと
- ハムスターを持ち上げるとき、上からつかむのはよくありません。野生下でハムスターが天敵につかまるときと同じようなアプローチなので、ハムスターが恐怖を感じます。
- ハムスターを落とさないようにと力を入れて掴むと、かえってハムスターは怖くなり逃げだそうとします。
- 体の一部をつまんだりぶらさげるような持ち方はよくありません。暴れて落ちたり人の手を噛むなどの危険があります。また動物病院などで行う保定(首の後ろの皮膚をおおきくつまんで持つ)には危険はありません。
- 慣れないうちは床に近い、低い位置で持つようにしましょう。ハムスターはあまり目がよくないので高さがあることをはっきり認識できません。しかし、恐怖を感じると逃げだそうとするので飛び降りてしまうことも。万が一飛び降りたりすれば大けがになります。
ケージ外でコミュニケーションをとろう
ハムスターは1匹だけで遊ばせておいても問題ありませんが、一緒に遊ぶというよりはケージの外でコミュニケーションをとることは可能です。ハムスター用のサークルや小動物用のパーテーションなどで一定の場所を区切り、その中でハムスターを遊ばせます。飼い主もその中で座っていて、ハムスターが近寄ってきたら、おやつを与えたり、膝に乗せたりしてコミュニケーションをとる方法があります。ゴールデンハムスターハムスターやジャンガリアンハムスターは比較的この方法がうまくいきますが、すばしこいロボロフスキーハムスターには向きません。
サークル内で気をつけたいこと
気をつけたいことは、サークル内で飼い主さんはあまり動き回らず座っていることです。ハムスターを踏んでしまうなどの事故を防ぐためです。また、ハムスターがまだ慣れないうちは、ハムスターから寄ってくるまでしつこくアプローチせず、ハムスターが飼い主さんを観察する時間を作ってあげましょう。
最後に
ハムスターの個性は様々で人なつこい子もいれば、慎重ですぐに仲良くなれない子もいます。それぞれの性質や特徴を理解し、その子のペースに合わせていくことが大切です。飼い主さんは焦らず適度な距離感で、ハムスターと上手にコミュニケーションをとっていきましょう。